四国で見つかっているヘビの仲間で、あまり見かけないジムグリ、シロマダラ、タカチホヘビ、ヒバカリの4種類を紹介します。これらすべてのヘビが、越知町そして横倉山でも見つかっています。
ジムグリは日本固有種で、体長は70~100㎝くらいのヘビです。森林で暮らし、少し湿っぽい場所で見かけます。幼蛇のころは真っ赤な体に黒い模様があってとても目立ちますが、成蛇になってくると黒い模様が消え、体の色は新しい十円玉のような渋い銅色になります。無毒でとてもおとなしく、つかまえてもほとんどかみついてきません。ネズミが大好きで、ネズミを追って土の中のトンネルに入り込みます。土の中に入りやすいように頭が小さいです。捕まえて飼ってみても、なかなか餌を食べてくれず、飼育が難しい種類です。
シロマダラ[/caption]
シロマダラも日本固有種で、体長35~70㎝くらいの無毒のヘビです。夜行性で、昼間は大きな岩や倒木が重なったような場所、人が作った石垣などの狭い隙間の中に隠れています。食べものはトカゲやヘビで、爬虫類をよく食べます。体の色は、灰色がかった白っぽい地に、はっきりとした黒いよこしまが目立ちます。体の地の色は幼蛇のころのほうが白っぽく、成蛇になっていくとうっすらと赤みがかってくるシロマダラもいます。捕まえても激しく噛み付いてくるようなことはありませんが、鋭い歯を持っていますので、むやみにつかむことはやめたほうがいいです。
タカチホヘビは、体長35~60㎝の森林で暮らすヘビです。普段は土の中や地面の落ち葉の下に隠れているため、なかなか姿を見ることはありません。体色は幼蛇のころは黒色、成蛇になると茶褐色になります。黄色っぽくなる個体もいて、背中の真ん中に、首から尻尾の先まで黒っぽい線があります。乾燥に弱く、うっかりアスファルトの上などに出てきてしまうと、すぐに干からびて死んでしまいます。タカチホヘビはシーボルトミミズ(高知では、カントロウと呼ばれます)を食べて暮らしています。自分と同じくらいの大きさのカンタロウを呑むのですが、いったい体のどこに入ってしまうのでしょうね?
ヒバカリは、田んぼで見かける体長40~65㎝くらいの無毒のヘビです。昔は毒蛇と思われていて、「噛まれたら、その日ばかりで死んでしまう」と思われていたためこの名前が付いたと言われています。体色は褐色で、口の端から首にかけてよく目立つ黄色っぽい模様があります。カエルや魚が大好物で、陸に上がってきたばかりの子ガエルを狙って水辺に現れます。横倉山でヒキガエルの子ガエルたちを、ヒバカリがパクパク食べている現場を見たことがあります。
これらの4種類、皆さんは見かけたことがあるでしょうか?ヘビで不思議に思ったことがあったら、博物館へ是非お問い合わせください。